落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「あ、いえ、ライオネル様と幼馴染とおっしゃってたので」

「そうなんだよ。俺の叔父も魔術師なんだけど、ライオネルに魔術を教えてたんだよね〜。それでたまに一緒に魔術を勉強するようになって、仲良くなったんだ」

「え? ライオネル様も魔術を?」

「うん。ライオネルは元々は凄い魔力の持ち主で、魔術師を目指してたんだ。でも訳あって騎士に変更したんだよ」

「そうだったんですか!?」

「子供の頃のアイツは、騎士なんて出来そうな奴じゃなかったよ。大人しいし、チビでひょろひょろで、本ばっか読んでたし、小動物が好きでさ〜」

「えっ?」

 チビでひょろひょろ!?
 今の姿からは想像できない。とても長身だし、身体も騎士様の中では細い方だけど、しっかり鍛えられていた。この間肩に担いだときも、ガッチリとしていたし……。
 ふと、その時のライオネル様の温もりと、耳元で聞いた息づかいを思い出して熱が上がってくる。

「ん? 顔が赤いけど大丈夫? 調子悪い?」

「あ、いえ! な、何でもないです!」

 私は誤魔化すように、棒付きパンにかじりついた。うん、おいしいわ。

「じゃ、遅くなっちゃうし、そろそろ帰ろっか。食べきれなかったのは持ち帰っていいからね〜」

「はい。ありがとうございます」

 アンディさんに会って、ライオネル様の子供の頃の話を聞けて嬉しかったな。今度ライオネル様に会ったら、おやつのお礼しなくっちゃね。
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