落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「そうでしょ。運搬鳥(うんぱんちょう)っていうんだけど、荷物を運ぶ魔道具なんだ。まだ試作品なんだけどね〜」

「へ〜、そうなんですね」

 自分の胸の高さで羽ばたいている籠に向かって手を出すと、スッと避けられてしまう。
 すごい、生きてるみたいだわ。

「まだ重い物は無理だし、遠くには行かないんだ。いずれは、指定の場所まで飛ばしたいと思ってるんだよ〜」

「へぇ、なるほど」

「ってことで買ってくるから、ちょっと待ってて〜」

 アンディさんが屋台に向かうと、籠も後ろを飛んでついて行く。なんとも不思議な光景だわ……。


 アンディさんが両手にいっぱい食べ物を抱えて戻ってきた。

「おっまたせ〜。あっちのベンチで食べよ〜」

 噴水前のベンチに座ると、焼き菓子の入った紙袋と、棒付きパン、串刺しの肉を渡される。

「はい。これはアイリスちゃんの分ね〜」

「ありがとうございます……」

 こんなに食べられるかなぁ……?

「うん、やっぱ旨いや! 最近研究所に引きこもってたから、いい気分転換になったな〜って、護衛してたんだった、忘れてた」

「研究所って魔道具を作ってるんですか? もしかして魔伝言鳩とかも?」

「うん、そうだよ〜。使ったことある? あれもね、うちの研究所で開発したんだよ。大変だったな〜、なかなか目的地に飛んで行かなくて苦労したよ〜」

 アンディさんは串焼き肉にかぶり付きながら、ころころと表情を変えた。
 ライオネル様と幼馴染って言っていたよね。タイプの違う二人だけど、意外と相性がいいのかな?
 おしゃべりなアンディさんの話を、静かに聞くライオネル様の姿を想像できる。なんか微笑ましい。

「ふふっ」

「ん? どしたの〜?」
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