落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 男性の妻が慌てて前に出てきて、ライオネル様に向かって頭を深く下げた。

「申し訳ございません。この人は私の為にしたことなんです。捕らえるなら私も一緒にしてください!」

「お前、何言ってっ。……すんません。頭に血がのぼっちまって。聖女さんよ、すまなかった」

 男性も反省したようで、ぐったり項垂れながら謝ってくれた。ライオネル様が大きく息を吐いた。

「まぁいい。さっさと行け」

「へい、本当にすんませんでした。それじゃ失礼します」

 二人が立ち去ろうとしたので、私は呼び止めた。

「あの、待ってください! 私じゃあまり効果がないかもしれないですが、魔法かけさせてください」

「え?」

「君は何を言ってるんだ」

 三人は驚いた顔をして同時に私の方を向く。

「折角来てくれたんですし、気休め程度ですけど楽になればと。どうでしょうか?」

「そりゃ、やってくださるってんならありがたいが……、なぁお前?」

「え、えぇ……」

 夫婦はそう言いながら顔を見合わせつつ、ライオネル様の様子をちらちらと窺っている。ライオネル様は眉間に皺を寄せていた。

 怖いよ、ライオネル様〜。この顔は普通の人が見たらすごく怖いって。私のことを心配してくれてるんだろうけど。

「いいですか……? ライオネル様?」

「君が大丈夫だというなら、俺は反対はしない」

「ありがとうございます!」


 他の聖女に治療してもらったという魔物の傷跡は塞がっているし、これ以上治すとなると時間がかかるだろう。
 回復魔法をかけてみたが、特別変わった様子は見られない。私は恐る恐る奥さんに尋ねた。

「痛みはどうですか?」
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