落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「いや、ちょっと調べたい事があるんだ」

「ふーん?」

 調べたい事、それはアイリスの回復魔法についてだ。

 俺の魔物による傷跡は、長年大聖女様に治療をしてもらっていた。確かに回復魔法や聖水で痛みは緩和するが、時間が経てばまた痛みだした。

 魔物の傷跡は治らないものだ――それは周知の事実として諦めていたのだが、アイリスに治療してもらってから疑問に思うようになった。

 彼女は自分の魔力は弱いと言う。確かに俺が見た限りでも脆弱なものだと感じた。では、何が違うのか。アイリスと大聖女様との魔法の違い……。

 俺自身が経験して感じたのは、彼女の魔法には清麗で温かみがあったということだった。

「それってさー、アイリスちゃん絡み?」

 俺が本からアンディの方に視線をずらすと、奴はソファーの肘当てに足を投げ出し横になっていた。

「そこで寝るな」

「だってさ〜、徹夜続きなんだもん、許して〜。で、どうなのさ〜?」

「まぁ、そうだな……。お前は回復魔法の性質については何か知ってるか?」

「回復魔法の性質〜?」

「例えば、魔物の傷に特化したような……」

「魔物の傷かぁ……。ん〜、わっかんないな〜。今度叔父さん……じゃなくて団長にも聞いてみるよ」

「あぁ、頼む」

 俺は再び本に目を移した。
 そうだな、アンディの叔父で、俺の魔術の師匠でもあった現魔術師団長なら、何かご存知かもしれないな。とりあえず俺も折角借りてきてもらった本だ、自分で調べられることは調べよう。

「ライオネルってさ〜、ゴードン家から婚約破棄されてから、ずっと婚約者もいないしさ。あんまり女性にも興味なさそうだし、どうしてかな〜って思ってたんだけど、やっとわかったわ〜俺」
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