落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
私は息を呑んだ。
そんなこと言ってたんだ……。
こちらを向いたライオネル様と視線がぶつかる。全てを見透かしてしまいそうなその瞳を受け止められず、私は顔を伏せた。
「そ、それは……」
声が震える。
どうにか誤魔化さないとと考えていたが、まだ夢の余韻が残っている私にはこれ以上平静を保つのは難しく、涙が溢れ出てきてしまった。
私は慌てて涙を指で擦った。
「無理に擦ってはいけない。これを」
ライオネル様が白いハンカチを差し出してくれた。
「すみませっ、ありがとう……ございます……」
「そこまで踏み込むつもりはなかったのだが……、悪かった」
「いえ、だいじょう……ぶ……です……。すみま……せ……」
差し出してくれたハンカチを受け取り首を振った。目をぎゅっとつぶり息を止め、これ以上泣かないようにじっと耐える。
「……我慢しなくていい」
ライオネル様の口調がとても優しかった。
ずっと我慢していた思いが溢れ、涙は止まらない。私がしばらく泣いている間、ライオネル様は何も言わなかった。
家族や村人達、多くの人が命を落とした中、どうして私は生き残ってしまったのか、そう自分に問いかけながら、ずっと心の奥に感じていたのは罪悪感だった。
本当に私が生き残って良かったの? 私が生きていて意味があるの?
もし聖女になって人々を救うことができたら、私は生きていてもいいと許されるのではと思った。
少し落ち着いてきた私は、ぽつりぽつりと語り始める。
そんなこと言ってたんだ……。
こちらを向いたライオネル様と視線がぶつかる。全てを見透かしてしまいそうなその瞳を受け止められず、私は顔を伏せた。
「そ、それは……」
声が震える。
どうにか誤魔化さないとと考えていたが、まだ夢の余韻が残っている私にはこれ以上平静を保つのは難しく、涙が溢れ出てきてしまった。
私は慌てて涙を指で擦った。
「無理に擦ってはいけない。これを」
ライオネル様が白いハンカチを差し出してくれた。
「すみませっ、ありがとう……ございます……」
「そこまで踏み込むつもりはなかったのだが……、悪かった」
「いえ、だいじょう……ぶ……です……。すみま……せ……」
差し出してくれたハンカチを受け取り首を振った。目をぎゅっとつぶり息を止め、これ以上泣かないようにじっと耐える。
「……我慢しなくていい」
ライオネル様の口調がとても優しかった。
ずっと我慢していた思いが溢れ、涙は止まらない。私がしばらく泣いている間、ライオネル様は何も言わなかった。
家族や村人達、多くの人が命を落とした中、どうして私は生き残ってしまったのか、そう自分に問いかけながら、ずっと心の奥に感じていたのは罪悪感だった。
本当に私が生き残って良かったの? 私が生きていて意味があるの?
もし聖女になって人々を救うことができたら、私は生きていてもいいと許されるのではと思った。
少し落ち着いてきた私は、ぽつりぽつりと語り始める。