落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 何事かと、私とアンディさんは同時にライオネル様の方を向くと、彼はどこか不機嫌そうなオーラを漂わせている。

「え、何、おまえ。顔怖いんだけど?」

「あまり軽々しく女性に触れようとするものではない」

「は? あ、あぁ、わかったよ〜」

 アンディさんが手を引っ込めようとしたので、ライオネル様は手を放した。私はハンカチを取り出して口元を拭う。

「そっかそっか、なるほど〜」

 アンディさんは腕を組んで一人で頷いている。

「ライオネルは、俺とアイリスちゃんが仲良くしてたから嫉妬したんだね〜」

「!」

 アンディさんの言葉に心臓が跳ねる。
 ライオネル様が嫉妬!? まさか、そんなこと。

「嫉妬? 何のことだ?」

 ライオネル様は訝しげな顔をしている。
 やっぱりライオネル様が嫉妬なんてするわけないよね。ちょっとがっかり……。

「無自覚かよ〜」

 アンディさんは独り言のように言って苦笑いすると、私に向かってウインクをした。

 う、うぅ。アンディさんは私の気持ちに気づいているんだわ。恥ずかしい……。
 私はハンカチを握りしめながら顔を伏せる。

「それより検査の結果はどうだったんだ」

「あー、うん。これこれ」

 ライオネル様に促されたアンディさんは、紙を取り出しテーブルの上に置いた。その紙を覗き込んで見ると、そこには縦に線のようなものが一本書かれていた。
 アンディさんが線を指差しながら説明を始める。

「えっとね〜、どの位置に棒が書かれてるかによって魔力の属性が分かるわけ。ここの聖属性の場所に棒があるから、聖属性ってことだね」

 私達は頷きながら真剣に話を聞く。

「魔法の種類は、これが回復魔法で、隣にも線があるでしょ? 見える?」

 アンディさんがトントンと指先を叩いた方を見ると、薄っすらと線が書かれていた。

「あ、はい」

「これは神聖魔法だよ」
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