落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「どうしたんだ?」
「なになに〜?」

 ライオネル様とアンディさんも私の手の甲を覗き込んだ。団長様が話を続ける。

「魔力抑制魔法の魔法陣が幾重にも重なっている。きっと微力の魔法を幾度となくかけたんだろうな。犯人はたぶんかなり君に近しい人物だろう」

「そんな……」

 近しい誰かが私に禁術の魔力抑制魔法をかけた。
 ゾクッと寒気がした。震える身体を自分で押さえていると、ライオネル様が私の顔を覗き込んだ。

「アイリス、大丈夫か? 顔色が悪いな……。もし何か気になることがあったら俺に言え。不安だとは思うが、俺ができる限り君を守ると誓おう」

「はい、ありがとうございます……」

 ライオネル様がそう言ってくれるだけで、安心して震えがおさまる。心が満たされていくようだ。

「おーおー、熱いなぁ」

 団長様が茶化してくると、ライオネル様は眉間に皺を寄せた。

「何のことだ?」

「あ〜、また無自覚だよ〜、こいつ」

「おぉ、こりゃ罪作りな男だぜぇ」

 私は両手で熱くなった顔を覆った。
 お二人共、これ以上はやめてください。いたたまれないです……。

「あっはは、冗談はこの辺にして、本題はここからだ」

 団長様の顔が真顔に戻る。

「君の魔力抑制魔法を解術しようと思う」

「え? 本当ですか!?」

「あぁ。しかしこんなに重なっていると一気には難しい。君の身体に負担がかかるといけないから、時間をかけて少しずつ解いていこう」

「ありがとうございます」

「犯人の目的はまだ不明だ。それにどこに潜んでるか分からないんだ、この事はくれぐれも他言無用で頼むよ」

 私はゴクリと唾を飲み込んでから、静かに頷いた。

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