落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
びっくりした。なに? なんなの? あんな甘い爆弾を落として去っていくなんて。

「う、う……。好きだぁ……」

 どうしようもなく実感してしまう。
 一人で身悶えていると、――ゾクッと背中に悪寒が走った。

「え……?」

 今誰かに見られていたような気がして振り返るが、誰もいない。キョロキョロと辺りを見回すがやっぱり誰もいなかった。

「気のせい……かな?」

 首を傾げながら裏門の中に入っていく。裏庭をヒョコヒョコと足を引きずって歩いていると、シャーロット様と出くわしてしまった。

「あら、アイリスじゃない。こんな時間までどこで遊び呆けていたのかしら? まったく、これだから落ちこぼれはっ」

「そ、それは」

「このまま神殿に帰って来なくてもよろしくてよ? ふん」

 シャーロット様は鼻で笑うと、背を向けて行ってしまった。
 嫌な人に会っちゃったわ。さっき感じた視線、シャーロット様じゃないよね……? でも彼女にライオネル様といる所を目撃されたとしたら、もっと嫌味を言ってくるような気がする。
 そのまま突っ立って考え込んでいたら、後ろから声をかけられた。
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