落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「アイリス? どうしたの? またシャーロット様に何か言われたのかしら?」

 渡り廊下の奥から歩いて来たのはフェリシティ様だった。彼女は、私と遠ざかるシャーロット様の後ろ姿を心配そうに交互に見つめた。

「あ、いえ……」

「しょうがない子よね。私の方から注意してもいいのよ?」

「いいえ、大丈夫です! 気にしてないので!」

「そう……。ならいいのだけど。何かあったら言ってね。いつでも相談に乗るわ」

 フェリシティ様は優しく微笑んでくれた。
 本当に優しい方だわ。私は嬉しくなる。

「はい。ありがとうございます!」

「そろそろ夕食の時間になるわね。さぁ、行きましょう」

 そう促されて歩き出したが、私が足を引きずっていたのをフェリシティ様に気づかれてしまう。

「アイリス、足、どうかしたの?」

「あ、実は少し捻りまして……」

「まぁ、大変だわ。すぐに治療しましょう!」

 フェリシティ様がすぐさま回復魔法をかけてくれると、一瞬で痛みが引いた。

「ありがとうございます、フェリシティ様!」

「いいえ、気にしないで」

 そう言って微笑んだフェリシティ様の瞳が冷ややかだったことを、その時の私は気がつかなかった。
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