落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
ハンナさんにはいつも食事をもらったりして、本当にありがたかった。
「貴族様との恋愛じゃ、色々問題は付き物だろうけどね。あたしも昔は色々あったからさ」
「え? ハンナさんも?」
ハンナさんは少し目を伏せ、切なげに微笑んだ。
「若い頃の話だよ。あたしの恋人は貴族だったんだ。でも、相手の家族に反対されてね、それっきりさ」
「そうだったんですね……」
ハンナさんにもそんな過去が……。私は切なくて俯いてしまう。
「そんなしけた顔しないでよ。そのお陰で今の旦那とも出会ったし、こうやって神殿で、好きな料理作っていられるんだ。あんたみたいに喜んで食べてくれる人がいて嬉しいんだよ!」
「私、ハンナさんの料理大好きです!」
「うふふっ、ありがと。でもアイリスは大丈夫だろうさ。なんたって聖女様になるんだ、身分は問題ないんだろう?」
「でも、まだ見習いで……」
そう言いかけたところで言葉を呑み込む。
今まではこのまま魔力が弱くて、正式な聖女になれなかったらと不安がよぎった。でも、魔術師団長様に魔力抑制魔法を少し解術してもらってから、魔力が増えたことを実感している。
このまま魔力が増えたら、私も聖女になれるかもしれない。そんな期待が私の胸に湧き上がってきている。
「あたしは応援してるからね! 頑張るんだよ!」
考え込んでいた私の背中をハンナさんはバシバシと叩いた。
「い、痛っ。はい、頑張ります!」
もし、私が正式な聖女になれたら、その時は……、その時はこの思いをライオネル様に伝えてもいいのかな?
✩ ✩ ✩
ライオネル様へ護衛依頼の魔伝言鳩を飛ばした後、裏門で待っていると、突然両腕を掴まれた。
「――!」
口元はハンカチのようなもので塞がれ、裏庭の奥の方に引きずられていく。私は激しく抵抗する。
「ん〜、ん〜っ」
な、なに――!?
「貴族様との恋愛じゃ、色々問題は付き物だろうけどね。あたしも昔は色々あったからさ」
「え? ハンナさんも?」
ハンナさんは少し目を伏せ、切なげに微笑んだ。
「若い頃の話だよ。あたしの恋人は貴族だったんだ。でも、相手の家族に反対されてね、それっきりさ」
「そうだったんですね……」
ハンナさんにもそんな過去が……。私は切なくて俯いてしまう。
「そんなしけた顔しないでよ。そのお陰で今の旦那とも出会ったし、こうやって神殿で、好きな料理作っていられるんだ。あんたみたいに喜んで食べてくれる人がいて嬉しいんだよ!」
「私、ハンナさんの料理大好きです!」
「うふふっ、ありがと。でもアイリスは大丈夫だろうさ。なんたって聖女様になるんだ、身分は問題ないんだろう?」
「でも、まだ見習いで……」
そう言いかけたところで言葉を呑み込む。
今まではこのまま魔力が弱くて、正式な聖女になれなかったらと不安がよぎった。でも、魔術師団長様に魔力抑制魔法を少し解術してもらってから、魔力が増えたことを実感している。
このまま魔力が増えたら、私も聖女になれるかもしれない。そんな期待が私の胸に湧き上がってきている。
「あたしは応援してるからね! 頑張るんだよ!」
考え込んでいた私の背中をハンナさんはバシバシと叩いた。
「い、痛っ。はい、頑張ります!」
もし、私が正式な聖女になれたら、その時は……、その時はこの思いをライオネル様に伝えてもいいのかな?
✩ ✩ ✩
ライオネル様へ護衛依頼の魔伝言鳩を飛ばした後、裏門で待っていると、突然両腕を掴まれた。
「――!」
口元はハンカチのようなもので塞がれ、裏庭の奥の方に引きずられていく。私は激しく抵抗する。
「ん〜、ん〜っ」
な、なに――!?