戦火に散った町娘は、敵国の皇太子に奪われて
「なんと! 500で売れました!」
声高に叫ぶ商人に、周囲から驚きと羨望のざわめきが上がった。
ガチャリ――鎖が外される。
足首に食い込んでいた冷たい鉄の感触が消えた瞬間、足がふらつく。
「たんまり可愛がってもらえよ」
商人が口の端を歪めて吐き捨てるように言い、私の背中を押した。
熱気と視線の渦の中、私はゆっくりと台の上から降りる。
一歩ごとに、鎖のない足取りが信じられなかった。
やがて辿り着いたのは、漆黒の髪と蒼い瞳を持つ男――先頭の騎馬の人物の前。
間近で見ると、その存在感は息を呑むほど圧倒的だった。
「……あの、私を買ってくださって、ありがとうございました」
震える声でそう告げると、彼の瞳がわずかに細まり、何かを見極めるように私を見つめた。
「馬に乗れるか?」
突然の問いに、私は瞬きを繰り返した。
「えっ?」
すぐに首を横に振る。馬など、遠くから眺めたことしかない。
声高に叫ぶ商人に、周囲から驚きと羨望のざわめきが上がった。
ガチャリ――鎖が外される。
足首に食い込んでいた冷たい鉄の感触が消えた瞬間、足がふらつく。
「たんまり可愛がってもらえよ」
商人が口の端を歪めて吐き捨てるように言い、私の背中を押した。
熱気と視線の渦の中、私はゆっくりと台の上から降りる。
一歩ごとに、鎖のない足取りが信じられなかった。
やがて辿り着いたのは、漆黒の髪と蒼い瞳を持つ男――先頭の騎馬の人物の前。
間近で見ると、その存在感は息を呑むほど圧倒的だった。
「……あの、私を買ってくださって、ありがとうございました」
震える声でそう告げると、彼の瞳がわずかに細まり、何かを見極めるように私を見つめた。
「馬に乗れるか?」
突然の問いに、私は瞬きを繰り返した。
「えっ?」
すぐに首を横に振る。馬など、遠くから眺めたことしかない。