戦火に散った町娘は、敵国の皇太子に奪われて
そんなことを自分に言い聞かせながら、この日も鍛錬場へ向かった。
アレク殿下は、鎧を纏った騎士たちと共に実戦さながらの稽古をしていた。
鋭い剣戟の音と、掛け声が響く中、殿下の動きは誰よりも速く、力強い。
――やはり、この人は戦場で生き抜いてきた人。
そう見惚れていた瞬間だった。
ドサッ――。
重い音が鍛錬場に響き、アレクが膝から崩れ落ちた。
「アレク殿下!」
思わず駆け出していた。
胸の奥で、理性よりも早く何かがはじけた。
「イレーネ!」
強い力で腕を掴まれ、私は思わず振り返った。
カリムの手だった。
「行ってはダメです!」
低く抑えた声だが、その眼差しは鋭く、拒絶の意思を突きつけてくる。
「どうして?」
息を詰める私に、カリムは短く答えた。
「戦場では一人だからです。誰も助けに来ない。」
その一言に、背中を冷たいものが這い上がった。
――あの人は、そんな孤独の中で戦ってきたのだ。
アレク殿下は、鎧を纏った騎士たちと共に実戦さながらの稽古をしていた。
鋭い剣戟の音と、掛け声が響く中、殿下の動きは誰よりも速く、力強い。
――やはり、この人は戦場で生き抜いてきた人。
そう見惚れていた瞬間だった。
ドサッ――。
重い音が鍛錬場に響き、アレクが膝から崩れ落ちた。
「アレク殿下!」
思わず駆け出していた。
胸の奥で、理性よりも早く何かがはじけた。
「イレーネ!」
強い力で腕を掴まれ、私は思わず振り返った。
カリムの手だった。
「行ってはダメです!」
低く抑えた声だが、その眼差しは鋭く、拒絶の意思を突きつけてくる。
「どうして?」
息を詰める私に、カリムは短く答えた。
「戦場では一人だからです。誰も助けに来ない。」
その一言に、背中を冷たいものが這い上がった。
――あの人は、そんな孤独の中で戦ってきたのだ。