戦火に散った町娘は、敵国の皇太子に奪われて
「本当に大丈夫だ。戦場ではこんな傷、いつもだ。慣れている。」
アレクは平然を装っていたが、血のにじむ指先を見て、私は堪らずその手をぎゅっと握りしめた。
「いっ……痛い!」
思わず声を上げた彼は、慌てて指を振りほどく。
「ほら、慣れてないじゃないですか。」
私が口を尖らせると、アレクは苦笑しながら言い返した。
「イレーネが力任せに握るからだろ。」
今度はそっと、彼の指を掴み直す。血を押さえながら、胸の奥から言葉が漏れた。
「……慣れるくらい、傷を負ったら嫌です。」
ちらりと顔を上げると、アレクが静かに私を見つめていた。ふっと柔らかな笑みが浮かぶ。
「そうか。……ああ、気を付けるよ。」
その笑顔に、胸の奥が温かくなった。
戦場に立つ彼を思えば心配は尽きないけれど、こうして約束してくれるだけで、少し救われる気がした。
アレクは平然を装っていたが、血のにじむ指先を見て、私は堪らずその手をぎゅっと握りしめた。
「いっ……痛い!」
思わず声を上げた彼は、慌てて指を振りほどく。
「ほら、慣れてないじゃないですか。」
私が口を尖らせると、アレクは苦笑しながら言い返した。
「イレーネが力任せに握るからだろ。」
今度はそっと、彼の指を掴み直す。血を押さえながら、胸の奥から言葉が漏れた。
「……慣れるくらい、傷を負ったら嫌です。」
ちらりと顔を上げると、アレクが静かに私を見つめていた。ふっと柔らかな笑みが浮かぶ。
「そうか。……ああ、気を付けるよ。」
その笑顔に、胸の奥が温かくなった。
戦場に立つ彼を思えば心配は尽きないけれど、こうして約束してくれるだけで、少し救われる気がした。