戦火に散った町娘は、敵国の皇太子に奪われて
すでに台に上がる前から、私たちは周囲の男たちの視線に晒されていた。

その目は獣のように光り、値踏みするというより、獲物を舐め回すようだった。

「あの女を犯してみたい」

「俺はあの女がいいな」

低く、湿った声が耳に突き刺さる。

吐き気が込み上げるような下卑た笑いに、背筋が凍った。

その時、隣にいた一人の女が震える手でつぶやいた。

「私……性奴隷になるくらいなら、死んだ方がマシ」

そう言って、目を血走らせながら、懐を探り始める。

小さな短剣の柄が、布の隙間から覗いた。

「ダメよ!」

思わずその手首を掴む。

「生きなきゃ!」

女は私を見返した。

その瞳には、恐怖と諦めが入り混じっていた。

「人生、何があるかなんて分からない。…でも、生きなきゃ!」

自分に言い聞かせるように叫んだ。

その声は震えていたが、鎖の冷たさと、周囲のざわめきにかき消されることはなかった。
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