戦火に散った町娘は、敵国の皇太子に奪われて
その沈黙が、どうしようもなく寂しかった。

「ありがとう、聞いてくれて。」

絞り出すようにそう言って、私は彼から離れようとした。

その瞬間、アレクの腕が強く私を引き寄せる。

「行くな。」

低い声が耳に落ち、次の瞬間、熱を帯びた唇が重なった。

世界が一瞬で消えて、彼のぬくもりだけになる。

「イレーネ。おまえの気持ち。受け止めたい。」

その囁きは、涙が出るほど優しかった。

「アレクっ!」

彼の名を呼ぶ声は、熱に揺れていた。

「こんな気持ち、初めてだ。……イレーネが欲しい。」

唇を重ね合いながら、私たちは自然とベッドへと歩を進める。

エプロンが外され、服が解かれていく。ペチコートも、下着も。

気づけば私の肌は夜の月明かりにさらされ、胸が高鳴った。

アレクがそっと私をベッドに押し倒す。

最後に彼自身の衣を脱ぎ去り、その美しい姿を晒した。
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