戦火に散った町娘は、敵国の皇太子に奪われて
その表情を見ているだけで、痛みさえ幸福に変わってしまう。

「アレク……私の体を、あなたでいっぱいにして……」

私の言葉に、アレクの動きが強く、愛情深く重なってきた。

心も体も、すべてを彼に捧げられる――そう思えた。

「もうダメだ……イレーネ……俺は……」

アレクの吐息が荒くなる。

「お前と……一緒にいたい!」

その瞬間、彼の深い熱情が、私の奥に注がれた。

「……あっ、あっ……!」

全身が震え、彼の愛を受け止める。

それは確かに、アレクの証だった。

やがて、彼は力尽きたように私の隣に倒れ込む。

熱を帯びた肌と肌が触れ合い、互いの鼓動が重なり合う。

「アレク……私は、アレクのもの?」

震える声で問いかける。――これがただの遊びじゃないことを、祈りながら。

アレクは目を細め、真剣に答えた。

「当たり前だろ。……ベッドで愛し合ったんだ。もうお前は、俺の女だ。」

胸の奥に、じんと熱いものが広がる。

私達はいつまでも、見つめ合った。

愛を確かめるように、互いの瞳の奥を。
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