アバター★ミー 〜#スマホアプリで最高の私を手に入れる!〜
Scroll-13:結果発表!
「小池さんの漫画見たよ!! めっちゃ良かった!!」
琴音と小池さんとの登校中、Webに掲載されていた小池さんの漫画を読んだことを伝えた。
「あっ、ありがとうございます! 試験が控えてる忙しい時期だってのに、嬉しい!!」
「面白かったから、すぐに読み終えちゃったよ。やっぱり小池さんは、漫画家目指すの? プロとして?」
「は、はい……そのつもりです。お父さんたちも応援してくれていますし。まあ、高校は行くとして、大学をどうするかは悩むところなんですけど」
もう、そんな先のことまで考えてるんだ……私なんて、どこの高校に行きたいかさえ、考えてないのに……
「私もね、日和の話聞いてたら、もっと絵のこと真面目に考えてもいいのかなって思い始めて。最近、美大とか専門学校のことも気になりだしてるの」
琴音まで……
「そうなんですよ! 琴音さんは本当にセンスの塊ですから、そっちの道に進んだほうがいいなって、私もずっと思ってたんです! 応援旗のキャラクターも、凄かったですから!」
「やっぱ、その……少年誌の佳作取っちゃう人でも、琴音の絵って凄いって感じちゃうわけ?」
「そりゃもう! 私、正直漫画は下手じゃないと思ってるんです。もちろん、まだまだなところはありますけど、今後の努力で上手くなると思ってます。だけど、キャラクターなんかを作ることが出来る才能って、また別物だと思っていて。その辺り、琴音さんは凄いなって」
「も、もう……褒めすぎだって……」
真顔で否定する琴音に、「本当ですって!」と慌てる小池さん。
私が玲央くんたちと距離を縮めていく中、琴音もまた、彼女たちの距離を縮めているようだった。
そしてそれは、友達関係だけじゃなく、これから目指す未来に関しても。
***
全ての試験が終わり、勉強会に使ったハンバーガーショップに来ている。テストの結果を持ち寄って、皆で反省会をするとのことだ。
「さてさて皆さん、期末テストはお疲れ様でした!」
深々と頭を下げる玲央くんに、私たちもキチンと頭を下げる。
「じゃ早速だけど、恒例のテストオープンしていきますか! まずは、数学から!!」
彼らはこんな風に、テスト結果を見せ合っているらしい。否が応でも、試験勉強を頑張れるわけだ。
◇数学
・玲央……68点
・翔………94点
・莉奈……66点
・楓………82点
・志帆……72点
「ええーっ!! 私が最下位なの!? マジでショックなんだけど!!」
「よっしゃー!! 初めての、数学最下位脱出!! すまんな、莉奈!! じゃ、次は社会いくか!!」
◇社会
・玲央……78点
・翔………90点
・莉奈……64点
・楓………78点
・志帆……74点
「ちょっと、やだあ……また私が、最下位なんだけど……」
「うわっ。私、玲央と同じ点数なのか。頑張ったな、玲央」
「俺、こういう覚えるだけの奴は得意なんだよ」
「じゃ、もうちょい点数取ってもよさそうなもんだけどな」
「くそっ……90点の奴に言われると、何も言い返せねえ……次、理科!!」
◇理科
・玲央……66点
・翔………91点
・莉奈……65点
・楓………82点
・志帆……76点
「——ちょ、なんか言ってくれ、莉奈!! 俺とは、たったの1点差じゃねえか!」
「そ、そうだよ、莉奈。前回の50点よりは大幅アップしたじゃん!」
「じゃ、じゃあ次、英語!!」
◇英語
・玲央……82点
・翔………93点
・莉奈……79点
・楓………98点
・志帆……88点
「り、莉奈……? 79点って、決して悪くない点数だぞ。な、なあ、志帆」
「ほっ、ホントに!! ここの皆がすごすぎるだけだって! ——ところで、楓のマイナスになった2点って何があったの?」
「最後の文章問題、ネイティブならこういうんだけど? って答え書いてあげたの。先生はどうジャッジするのかなって。やっぱり、こっちの教師は頭が硬いわね、しっかり△にされてた」
「志帆は初めて聞いただろうけど、試験でいつもこういうことするんだよ、楓は。普通にやればいつも満点取れるはずなのに。——じゃ、玲央。最後のコールよろしく」
「じゃ、最後は国語!! 最後くらいは頑張ってくれよ、莉奈!!」
◇国語
・玲央……66点
・翔………92点
・莉奈……90点
・楓………88点
・志帆……97点
「流石、国語の先生だな!! 志帆、97点はスゲーよ!」
「翔、私も褒めてよ! 国語なんて、今まで80点台さえ取ったことなかったのに、憧れの90点台だよ!?」
「うんうん。よく頑張ったと思うよ莉奈、私より点数上だし。やっぱり、志帆の教え方が上手だったもんね。そりゃみんな点数に反映……あれ?」
「そんな意地悪言うなよ、楓……ってことで、合計点数行きますか!」
◇合計
・玲央…360点
・翔……460点
・莉奈…364点
・楓……428点
・志帆…407点
「やっ、やったぁ!! 合計では玲央に勝ってた!!」
「マ、マジで!? け、計算間違いじゃないのか!? っていうか、俺たち以外、みんな400点超えてんのかよ……」
「よしっ! 全教科90点を上回ったのは、初めてだ! 地味に嬉しいぞ、これは!」
「次は悔しいけど、英語100点目指してみるか……」
「わ、私は、莉奈ちゃんが90点取ってくれたのが、凄い嬉しいかも!」
「ありがとね、志帆先生! いやマジで、今回は志帆のおかげで救われたよ!」
玲央くんたちのグループが、ここまで定期テストを頑張っていたのは正直意外だった。これだけ点数を取っているのに、翔くんや楓の自慢話も聞いたことなかったし。
私なんて、アバター★ミーを使っていながら、この点数……
みんな自分の力だけで頑張ってるのに、アバター★ミーを勉強に使うのは違うような気がしてきた——
琴音と小池さんとの登校中、Webに掲載されていた小池さんの漫画を読んだことを伝えた。
「あっ、ありがとうございます! 試験が控えてる忙しい時期だってのに、嬉しい!!」
「面白かったから、すぐに読み終えちゃったよ。やっぱり小池さんは、漫画家目指すの? プロとして?」
「は、はい……そのつもりです。お父さんたちも応援してくれていますし。まあ、高校は行くとして、大学をどうするかは悩むところなんですけど」
もう、そんな先のことまで考えてるんだ……私なんて、どこの高校に行きたいかさえ、考えてないのに……
「私もね、日和の話聞いてたら、もっと絵のこと真面目に考えてもいいのかなって思い始めて。最近、美大とか専門学校のことも気になりだしてるの」
琴音まで……
「そうなんですよ! 琴音さんは本当にセンスの塊ですから、そっちの道に進んだほうがいいなって、私もずっと思ってたんです! 応援旗のキャラクターも、凄かったですから!」
「やっぱ、その……少年誌の佳作取っちゃう人でも、琴音の絵って凄いって感じちゃうわけ?」
「そりゃもう! 私、正直漫画は下手じゃないと思ってるんです。もちろん、まだまだなところはありますけど、今後の努力で上手くなると思ってます。だけど、キャラクターなんかを作ることが出来る才能って、また別物だと思っていて。その辺り、琴音さんは凄いなって」
「も、もう……褒めすぎだって……」
真顔で否定する琴音に、「本当ですって!」と慌てる小池さん。
私が玲央くんたちと距離を縮めていく中、琴音もまた、彼女たちの距離を縮めているようだった。
そしてそれは、友達関係だけじゃなく、これから目指す未来に関しても。
***
全ての試験が終わり、勉強会に使ったハンバーガーショップに来ている。テストの結果を持ち寄って、皆で反省会をするとのことだ。
「さてさて皆さん、期末テストはお疲れ様でした!」
深々と頭を下げる玲央くんに、私たちもキチンと頭を下げる。
「じゃ早速だけど、恒例のテストオープンしていきますか! まずは、数学から!!」
彼らはこんな風に、テスト結果を見せ合っているらしい。否が応でも、試験勉強を頑張れるわけだ。
◇数学
・玲央……68点
・翔………94点
・莉奈……66点
・楓………82点
・志帆……72点
「ええーっ!! 私が最下位なの!? マジでショックなんだけど!!」
「よっしゃー!! 初めての、数学最下位脱出!! すまんな、莉奈!! じゃ、次は社会いくか!!」
◇社会
・玲央……78点
・翔………90点
・莉奈……64点
・楓………78点
・志帆……74点
「ちょっと、やだあ……また私が、最下位なんだけど……」
「うわっ。私、玲央と同じ点数なのか。頑張ったな、玲央」
「俺、こういう覚えるだけの奴は得意なんだよ」
「じゃ、もうちょい点数取ってもよさそうなもんだけどな」
「くそっ……90点の奴に言われると、何も言い返せねえ……次、理科!!」
◇理科
・玲央……66点
・翔………91点
・莉奈……65点
・楓………82点
・志帆……76点
「——ちょ、なんか言ってくれ、莉奈!! 俺とは、たったの1点差じゃねえか!」
「そ、そうだよ、莉奈。前回の50点よりは大幅アップしたじゃん!」
「じゃ、じゃあ次、英語!!」
◇英語
・玲央……82点
・翔………93点
・莉奈……79点
・楓………98点
・志帆……88点
「り、莉奈……? 79点って、決して悪くない点数だぞ。な、なあ、志帆」
「ほっ、ホントに!! ここの皆がすごすぎるだけだって! ——ところで、楓のマイナスになった2点って何があったの?」
「最後の文章問題、ネイティブならこういうんだけど? って答え書いてあげたの。先生はどうジャッジするのかなって。やっぱり、こっちの教師は頭が硬いわね、しっかり△にされてた」
「志帆は初めて聞いただろうけど、試験でいつもこういうことするんだよ、楓は。普通にやればいつも満点取れるはずなのに。——じゃ、玲央。最後のコールよろしく」
「じゃ、最後は国語!! 最後くらいは頑張ってくれよ、莉奈!!」
◇国語
・玲央……66点
・翔………92点
・莉奈……90点
・楓………88点
・志帆……97点
「流石、国語の先生だな!! 志帆、97点はスゲーよ!」
「翔、私も褒めてよ! 国語なんて、今まで80点台さえ取ったことなかったのに、憧れの90点台だよ!?」
「うんうん。よく頑張ったと思うよ莉奈、私より点数上だし。やっぱり、志帆の教え方が上手だったもんね。そりゃみんな点数に反映……あれ?」
「そんな意地悪言うなよ、楓……ってことで、合計点数行きますか!」
◇合計
・玲央…360点
・翔……460点
・莉奈…364点
・楓……428点
・志帆…407点
「やっ、やったぁ!! 合計では玲央に勝ってた!!」
「マ、マジで!? け、計算間違いじゃないのか!? っていうか、俺たち以外、みんな400点超えてんのかよ……」
「よしっ! 全教科90点を上回ったのは、初めてだ! 地味に嬉しいぞ、これは!」
「次は悔しいけど、英語100点目指してみるか……」
「わ、私は、莉奈ちゃんが90点取ってくれたのが、凄い嬉しいかも!」
「ありがとね、志帆先生! いやマジで、今回は志帆のおかげで救われたよ!」
玲央くんたちのグループが、ここまで定期テストを頑張っていたのは正直意外だった。これだけ点数を取っているのに、翔くんや楓の自慢話も聞いたことなかったし。
私なんて、アバター★ミーを使っていながら、この点数……
みんな自分の力だけで頑張ってるのに、アバター★ミーを勉強に使うのは違うような気がしてきた——