永遠の約束を交わそう
その日の夜も、私は海辺に行った。


ザザーンと波打つ海はいつもより冷たく感じた。


『国のため』


たったひとつしかない命を国のために捧げるなんて…


敗戦国となる日本のために、彼らの人生をここで終わらせるなんて…


本人も周りの人もどうかしてるよ…


徴兵されること、国のために死ぬことが、美徳だと到底思えなかった。


勇さんも佐々木くんも、橋田さんも井上さんも、みんな大切な人がいるのに。




この夜は涙が止まらなかった。
< 22 / 83 >

この作品をシェア

pagetop