永遠の約束を交わそう
ようやく二人は街外れの防空壕に飛び込み、荒い息を吐きながら身を寄せ合った。


外ではまだ爆音が響いていたが、狭い壕の中で彼の胸にすがりつくしかできなかった。


防空壕の中は、土の匂いと人々の不安に満ちていた。


小さな灯りの下、泣きじゃくる子どもの声が響き、母親が必死であやしている。


外の爆撃音は少し遠のいたものの、地面がときどき震え、そのたびに人々が小さく身を縮めた。


勇さんの腕に抱えられたままの私は、ようやく自分の足で立たせてもらった。
 

「…すみません。私、動けなくて…」


声は震え、涙でにじんでいた。


彼は首を横に振り、額にかかる汗を手で拭った。


「謝るな。怖くて動けなくなるのは、誰だってそうだ」


その言葉に、胸の奥で張り詰めていた糸が少し緩んだ。
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