永遠の約束を交わそう
隣の仲間たちは静かに準備をしている。


誰も口を開かない。
 

互いの覚悟だけが、沈黙の中に漂っていた。

 
操縦席の計器が光り、エンジン音が徐々に大きくなる。
 

翼の先端が太陽の光に反射し、雲海が広がる。
 

視線を前方に向け、静かにハンドルを握る。

 
心の中で、再び美緒に語りかける。
 

「来世で、必ず会おう」
 

声には出さず、胸の奥だけで。

 
滑走路を滑り出す瞬間、地面が少しずつ遠ざかる感覚がした。
 

風が顔を打ち、耳元でエンジンが唸る。
 

空へと昇るたびに、胸の奥に残る不安と覚悟が交錯する。

 
 
 
 
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