永遠の約束を交わそう
未来に託した想い
彼らが旅立った夜の静かな浜辺。
兵舎の方からは微かに虫の声が響き、時折、遠くの空で飛行機のエンジン音がかすかに聞こえる。
「美緒ちゃん、今いいかしら」
私はキクさんに呼ばれて救護所に戻る。
「これ…神谷さんから預かっていたの。あなたに渡してほしいって」
少し黄ばんだ封筒を手渡されると、キクさんはにっこり笑って、言葉を添える。
「急がなくてもいいわよ。ゆっくり読んでごらんなさい」
私は救護所の外にあるベンチで封を切った。
その手が少し震えた。
紙を取り出すと、淡く匂うインクとわずかに湿った感触が、胸の奥をぎゅっと締めつける。
これは、2人で過ごした記憶そのものを形にしたものだ、と直感でわかった。
ゆっくりと文字を追う。
兵舎の方からは微かに虫の声が響き、時折、遠くの空で飛行機のエンジン音がかすかに聞こえる。
「美緒ちゃん、今いいかしら」
私はキクさんに呼ばれて救護所に戻る。
「これ…神谷さんから預かっていたの。あなたに渡してほしいって」
少し黄ばんだ封筒を手渡されると、キクさんはにっこり笑って、言葉を添える。
「急がなくてもいいわよ。ゆっくり読んでごらんなさい」
私は救護所の外にあるベンチで封を切った。
その手が少し震えた。
紙を取り出すと、淡く匂うインクとわずかに湿った感触が、胸の奥をぎゅっと締めつける。
これは、2人で過ごした記憶そのものを形にしたものだ、と直感でわかった。
ゆっくりと文字を追う。