永遠の約束を交わそう

「ありがとう。…あの、また会えませんか?」

 
夕陽が沈みかける空の下、その言葉は私の胸にまっすぐ突き刺さった。
 

あの日、勇さんが残した『来世でも必ず見つける』という言葉。
 

それが今、形を変えて、目の前の彼から紡がれている。

 
涙がこぼれそうになるのを堪えて、笑顔で頷いた。
 

「…はい、ぜひ」

 
二人の影が、街灯に照らされて並んで伸びていく。
 

まるで、遠い夏の日の約束を、今ここで歩き出しているかのように。








   fin
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