もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
どうして課長はいつも私の欲しい言葉をくれるのだろうか。
また思わず涙がこぼれそうになるのを必死で堪えた。

「この後の予定は?」

不意に聞かれた質問に「ありません」と答える。課長はそれなら、とランチに誘ってくれる。先日も残業の後食事に誘ってもらったのに逃げるように帰ってしまった。今はこの胸の奥のざわめきの正体をもう少し知りたいと素直に思った。

「ご一緒させてください」

いつもの地味な私が全面に出て、声が小さくなってしまったが課長はその言葉に笑って頷いていた。
課長はショッピングモールに併設されたカフェに連れていってくれる。

「ここなら軽食も食べられるしどうだろうか」

「はい」

課長のような見目麗しい方に見合うおしゃれなカフェで私ひとりなら絶対に入れない。そう思いながらも課長が先を歩きお店に入った。今の季節にちょうどいいオープンテラスに案内されるとさすが課長だなとひとりゴチる。課長ほどの方がテラスに座っていたら目を引くもの。私がテラス席に座っていても様にならないし、きっと普段だったら店内の席に案内されてしまうはず。こんなラフな姿も素敵だなんて神様は不平等だな、なんてことを考えながら席に座ったが、正面に座られドキッとした。もちろんふたりしかいないのだから正面に座るのが普通なのだろうけど、改めて課長を正面に見て胸が跳ね上がった。
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