もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
胃袋が満たされたせいか気持ちにゆとりができたのかわからないが、私は美波さんに声をかけた。
「もしよかったら料理を下げるだけでもしましょうか。そのくらいなら私にもできますし」
「そんな、悪いわ。でももしいいならお願いしたい。今日はいつもに増して忙しいの」
私は頷くとスーツのジャケットを脱いだ。美波さんがどこからかもって来てくれたエプロンをつけるとすでに食事を終えたテーブルから食器を片付け始めた。食器の洗浄も追いつかないのか溜まり始めていた。誠さんはひたすら料理に専念しているので美波さんが配膳や片付け、会計までを引き受けているのだろう。下げた食器を洗い始める私を見て誠さんは驚いていたが、大丈夫ですよと一声だけかけると彼もどんどん入るオーダーを捌くため料理に戻っていった。
食器を下げ、テーブルを拭くとすぐに次のお客さんが座る。ランチタイムに何回転したのだろうと思うくらいの繁盛ぶりに驚かされたが、心地よい疲労感だ。
14時近くになりようやく客足がひいた。
「日菜さん、本当にごめんなさいね。食事に誘ったつもりが働かせるなんて」
「いいんです。なんだか頭がモヤモヤしていましたけど、体を動かしたらスッキリしました」
ようやく自然と笑顔が出た。本当に体を動かしていたら真紘さんのことを考えずにいられ、さっき食べた食事にも胃袋を満たされ、なんだか本当に気持ちが落ち着いた。
「少し休憩しようか」
誠さんがパスタを大皿で持ってきてくれる。美波さんはランチプレートにつけていたプリンを運んできてくれた。
私はさっきいただいたばかりなので、と遠慮するが一緒に食べようと勧められまた席についてしまった。
ボンゴレパスタはシンプルだが出汁がおいしくてついたくさん食べてしまった。そしてだあれたプリンまで平らげてしまった。さっきまでは何をどうしたらいいのかわからず彷徨っていたのが嘘のようだ。
「最近渡瀬くん来てないのよ。忙しい?」
「そうですね。部長になったのもありますが、企画統括の方にも行っているので忙しそうです。何より、社長の息子さんだと公表されたことが大きいんだと思います」
ふたりにそう伝えると、誠さんは頷いていた。
「あいつは学生の頃からずっと会社を背負う覚悟で必死に努力して来たんだ。こうなる覚悟はできていたと思うよ。学生時代の楽しみもそこそこに、必要なスキルや勉強をしてきたのを見ているから俺らはあいつが次期社長になるべくしてなると思っている。でも会社の人となるとそうもいかないんだろうな。今のあいつが全てだし、色眼鏡で見られ、御曹司だからと言われかねない。だから今が正念場なのかもな」
「もしよかったら料理を下げるだけでもしましょうか。そのくらいなら私にもできますし」
「そんな、悪いわ。でももしいいならお願いしたい。今日はいつもに増して忙しいの」
私は頷くとスーツのジャケットを脱いだ。美波さんがどこからかもって来てくれたエプロンをつけるとすでに食事を終えたテーブルから食器を片付け始めた。食器の洗浄も追いつかないのか溜まり始めていた。誠さんはひたすら料理に専念しているので美波さんが配膳や片付け、会計までを引き受けているのだろう。下げた食器を洗い始める私を見て誠さんは驚いていたが、大丈夫ですよと一声だけかけると彼もどんどん入るオーダーを捌くため料理に戻っていった。
食器を下げ、テーブルを拭くとすぐに次のお客さんが座る。ランチタイムに何回転したのだろうと思うくらいの繁盛ぶりに驚かされたが、心地よい疲労感だ。
14時近くになりようやく客足がひいた。
「日菜さん、本当にごめんなさいね。食事に誘ったつもりが働かせるなんて」
「いいんです。なんだか頭がモヤモヤしていましたけど、体を動かしたらスッキリしました」
ようやく自然と笑顔が出た。本当に体を動かしていたら真紘さんのことを考えずにいられ、さっき食べた食事にも胃袋を満たされ、なんだか本当に気持ちが落ち着いた。
「少し休憩しようか」
誠さんがパスタを大皿で持ってきてくれる。美波さんはランチプレートにつけていたプリンを運んできてくれた。
私はさっきいただいたばかりなので、と遠慮するが一緒に食べようと勧められまた席についてしまった。
ボンゴレパスタはシンプルだが出汁がおいしくてついたくさん食べてしまった。そしてだあれたプリンまで平らげてしまった。さっきまでは何をどうしたらいいのかわからず彷徨っていたのが嘘のようだ。
「最近渡瀬くん来てないのよ。忙しい?」
「そうですね。部長になったのもありますが、企画統括の方にも行っているので忙しそうです。何より、社長の息子さんだと公表されたことが大きいんだと思います」
ふたりにそう伝えると、誠さんは頷いていた。
「あいつは学生の頃からずっと会社を背負う覚悟で必死に努力して来たんだ。こうなる覚悟はできていたと思うよ。学生時代の楽しみもそこそこに、必要なスキルや勉強をしてきたのを見ているから俺らはあいつが次期社長になるべくしてなると思っている。でも会社の人となるとそうもいかないんだろうな。今のあいつが全てだし、色眼鏡で見られ、御曹司だからと言われかねない。だから今が正念場なのかもな」