幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
そう考えると、美琴の考え方には真夏の太陽のような力強さと生命力が満ち溢れているように思う。快活な彼女の傍にいるだけで、元気をもらえる気がする。光希ももしかしたら、こういう明るくポジティブな性格の子が好きかもしれない。
美琴から受け取った白い便箋に視線を落とすと、中に書かれた文字の一部が裏写りして透けているのが見える。書かれているのは名前と電話番号、それからきっと、メッセージアプリのIDだ。
この連絡先を渡したら、光希はきっと――
「咲が『渡したくないな』って思ったら、捨ててもいーんだからね?」
「!」
手の中でかさりと音を立てる紙を見つめて固まっていると、美琴が楽しそうに問いかけてきた。
「そんなことしないよ」
「ふふ」
顔を上げて頬を膨らませながらそう返すと、美琴がくすくすと微笑む。
(……。美琴ちゃん、面白がってる……?)
なぜ彼女が自分の連絡先を捨ててもいい、と言いつつ、ご機嫌なのかがわからない。
だからその意図を問うべく口を開こうとしたが、その直前で上階からエレベーターがやってきてしまい、立ち止まっていた人々が一斉に移動を始める。咲と美琴も、その場所からの移動を余儀なくされる。
人の流れが動き出したせいか、会話の流れも移り変わる。エレベーターの中へ移動したところで、美琴が昨日まで進めていた作業の進捗を問いかけてきた。こうなると、もう元の話には戻せない。
――咲が自分の席にたどり着くまでの間、ずっと左手に握られていた連絡先が書かれたメモは、気がつくと少し折れ曲がってしまっていた。