幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
「池田と二人きりで飲みたい、って意味だったんだけど」
「え……」
照れ隠しのように首の後ろをガリガリ掻いた柊太が、咲の顔色をちらりと伺ってくる。その視線に含まれている温度に、はた、と気がつき、思わず言葉を失ってしまう。
「え、えっと……」
「……」
咄嗟にどう答えていいのかがわからず、つい言葉に詰まってしまう。
咲には異性と恋人同士の付き合いをした経験がない。男性に誘われたこと自体が一度もないわけではないが、咲に負い目を感じて献身的に尽くしてくれる光希を差し置いて、自分だけ恋愛をする気になったことがなかった。
いや、それ以上に『本庄光希』という幼なじみが常に隣にいた咲には、他の誰かを気にする気持ちが芽生えなかった。勉強もスポーツもできて、振る舞いはスマートでかっこよく、性格も穏やかで優しく物静か。
咲は、そんな光希よりも『気になる男性』に出会ったことがなかったのだ。
恋愛経験がほとんどなく、異性から向けられる感情も上手く読み取れない。そんな恋愛経験に乏しい咲ではあったが、さすがにこれほどわかりやすい言葉で誘われたら、察するに決まっている。
頬を染め、視線を泳がせて、『二人きりで』とストレートな言葉を使われて、柊太が自分に良い印象や好意を抱いていることを感じ取れないわけがなかった。
「まあ、今日は仕方ないよな。急だし、用事もあるんだろ?」
「あ、あの……っ」
「じゃあ、明日は? ちょうど金曜だし、デートしよ」