幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
それにしても、一体どこから聞いていたのだろうか? すべてを知っているかのように頷く姿を見るに、まさか昨日の会話も聞いていた……? と考える咲だったが、その疑問を口にする直前で、別の要件を思い出した。
咲は柊太だけではなく、美琴にも業務時間外で伝えておきたいことがあったのだ。
「そうだ、美琴ちゃん! あ、あのね……!」
「あ、ぜんぜん気にしなくていーよ?」
「!」
美琴を傷つけないように、と必死に考えた文言を駆使して昨日の状況を伝えようとしたが、咲が光希の名前を出す前に、美琴がにこりと笑顔を作った。
「本庄王子に、連絡先はいらない、って言われたんでしょ?」
「えっ……な、なんでわかるの?」
咲の質問に、美琴がふふ、と微笑む。
そんな彼女が告げてきたのは、咲にとっては予想外の答えだった。
「咲の顔に書いてあるからだよ。『渡せなくてごめん』って」
「!?」
「咲はほんと、顔に出やすいよね。騙されやすそう」
「だ、騙されやすそう……!?」
美琴が指を立てて意外な指摘をしてくるので、思わず声が裏返ってしまう。どちらかというと周囲の大人たちから『しっかり者だね』『えらいね』と言われて育ってきた咲は、感情が顔に出やすいかどうかはともかく、自分が騙されやすいタイプだと思ったことはなかった。
だが美琴には咲の感情が透けて見えているようで、光希に連絡先の受け取りを拒否されたことも、その状況をどう伝えようかと悩んでいたこともお見通しらしい。