幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
そして彼女が咲の表情や態度から読み取ったのは、連絡先を拒否された件だけではない。むしろそれ自体はどうでもいいことのようにさらりと流され、咲の気持ちや現在の状況の方を気にしてくれる。
「咲は大人しい印象だけど、そのぶん感情が顔に出やすいよね。だから連絡先のことも、今は彼氏がいないことも、職場とは関係のないところに好きな人がいることも、なんとなくわかるの」
ストレートな指摘に、う、と言葉に詰まる咲の隣で、美琴もウォーターサーバーからマイボトルへ水を注いでいる。ただし熱がりな彼女のボトルの中身は、寒がりな咲と異なり水出しアイスティーのティーパックだ。
「だからもし咲が落ち込んでたら、あいつ、すかさず飛んでくると思うよ」
「……」
あいつ、というのは、柊太のことだ。つまり咲の恋愛模様は、美琴だけではなく柊太にもうっすらと見抜かれているということ。
しかも今の咲の恋が不安定な状況にあることまでやんわり把握されているらしく、もし咲が恋に破れたときはすぐに手を差し伸べるよう一定の距離を保っているのだ、と匂わされる。
実際に咲が失恋したときに柊太が美琴の予想通りの行動に出るかどうかはともかく、その一言から、咲の感情が美琴以外の人にも漏れ伝わっているということは理解できた。
「そんなに顔に出やすいってことは、いつも一緒にいる人にも、全部お見通しなのかな……?」
感情が顔に出やすいのなら、毎日顔を合わせる光希にも気持ちを知られているのではないか、と思う。知り合って二年足らずの美琴や柊太にさえ恋心を察知されているのなら、光希本人にはもうずいぶん前から秘めた気持ちを知られていたのでは、と感じる。