幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-

 隣にいる光希が零す独り言の意味がわからず、そっと首を傾げる。

「どういうこと? 花火があがるとか?」
「花火は週末なんじゃないか? 調べてないから、正確には知らないが」
「え、じゃあなに……」

 こんな時間にこんなに暗い高台へやってきて、打ち上げ花火ではないなら、一体何を見るつもりなのだろうか。彼は何のために、咲をここまで連れてきたのだろうか。

「咲、上見てろ」
「!」

 隣に立った光希が咲の肩をぐいっと引き寄せ、反対の手で上空を見上げるように促してくる。急に肩を抱かれるように密着したことに驚いたが、それ以上に言われた通りに見上げた上空の景色に驚いた。

「わぁ……綺麗……!」

 遠くに見える街明かりや雲の隙間から差し込む月明かりに視線を奪われ、最初はよく見えていなかった。だが光希に指示された方角にじっと目を凝らしてみると、濃紺の夜空にはたくさんの星たちが煌めいている。黒いインクの中に金のラメをちりばめたように、夜の海の中に無数の光が浮かび上がっているように、満天の星がきらきらと瞬いている。

 美しい星空だ。都心では絶対に見ることができない幻想的な光景に――田舎に住んでいた頃は、街灯を避けた場所に立つだけで感じられた景色に、ほう……と心を奪われる。

 星辰の輝きにしばし心を奪われていたが、ふと咲の視界の端から中央へ、細い光の線が走り抜けていく。

「えっ……?」

 見間違いかと思って瞬きをした次の瞬間、今度は先ほどよりも太く長い光の線が、咲の視界を斜めに横切った。

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