幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
まさか、光希がそんなことを考えていたなんて。何度も咲を誘おうと考えて、思い出をくれようとしていたなんて。
「でも、誘えなかった」
「……光希くん」
「クラスのみんなと行けなかったことを思い出させてしまうんじゃないか、もし咲の左目が星の光を感じとれなかったら、また辛い思いをさせてしまうんじゃないか。――それが原因で咲に嫌われるんじゃないか……。そう思ったら怖くて、ずっと言えなかった」
「そんなわけない。そんな理由で、私が光希くんを嫌いになるはずがないでしょ」
いつも冷静で昔から大人びた印象のある光希だが、意外にも臆病な一面があるらしい。その意外な一面がまさか自分相手に発動されるとは夢にも思っておらず、ついムッと頬を膨らませてしまう。
咲の表情を確認した光希が苦笑いを零す。けれどその表情は咲に向けたものではなく、光希が自分自身に向けたものだったらしい。
「このままずっと、あのときの傷には触れずにいようと思ってた。そうすれば今の関係を続けられる、ずっと居心地のいい幼なじみのままでいられるはずだ、と思ってたんだ」
光希がぽつりぽつりと語る内容に、じっと聞き入る。
その感覚はわかる。
それと似た感情は、咲の中にもある。
本当は心のどこかで、何かが違う、この選択は最良ではない、このままではいけない、と察している。自分の中にある違和感と向き合うべきだと感じている。
けれど自分が黙ってさえいれば、これまでの関係を維持できることも分かっている。居心地の良い距離感を壊さずに、ずっと『このまま』でいられることに安らぎを覚えて、結局は『こうすべき』から目を背けてしまう。