幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-

 どうやら美琴は、今朝、久々に光希に会社まで送り届けてもらったときの様子を見ていたらしい。これまでのたどたどしい関係が嘘のように、柔らかな笑顔を浮かべて惜しみのない愛情を注いでくれるようになった光希とのやりとりを、まさか見られていたなんて。

 穴があったら、もう三メートルぐらい掘り足して、完全に埋まってしまいたい……と思う咲であった。


 *◆*◆*


「光希くん、お疲れさま」
「ああ、お疲れ」

 今朝と同じように光希が会社まで迎えにきてくれたので、助手席に乗り込んで笑顔を交わし合う。車はすぐに走り出したが、無意識のうちに光希の様子が気になっていたらしく、気がつくと彼の横顔をじっと見つめてしまっていた。

 咲の視線に気づいた光希が、こちらを一瞬だけ見てくすりと笑う。「ん?」と鼻から零れた声に「どうかしたか?」と訊ねられているように思えたので、咲もすぐに頷いた。

「ううん。仕事どうかな、無理してないかな、と思って」
「ははっ。毎回聞かれるな、それ。咲の方がよっぽど過保護で心配性だ」
「え……そうかな……?」
「ま、これまでの仕事と全然違うことしてるからな。今は大変だけど、毎日いい刺激もらってるよ」
「そう、それならよかった」

 今日の光希が現在の会社からも家からも遠い場所に勤める咲をこうして送迎してくれたのは、彼の会社が推奨する、とある勉強会に参加したためだ。都内の大きな会場へ直接赴き、終わった後は直帰していい、と言われていたため、通常業務のときよりも朝が遅く、帰りが早い。しかもその会場は咲の会社の方が近かったため、こうして久々に送迎をしてもらったのだ。

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