恐怖病院
まっすぐにお化け屋敷の通路へ視線を向けている。
これから起きるかもしれないことに覚悟を決めた顔つきだ。
「行こう」

私は渚ちゃんの手を引いて、一歩を踏み出したのだった。
1つ目の部屋は受付。
2つ目の部屋は診察室。

ここに来るのはもう3度目だ。
看護師が急に動き出しても、カルテが天井から降ってきてももう驚かなかった。
問題は次の部屋。

トイレだ。
ドアが開いた瞬間トイレのリアルな匂いがただよってきて、渚ちゃんが鼻をつまんだ。
「すごいリアルな匂いがしてるよね」
こそっとそう伝えると、渚ちゃんは鼻をつまんだままコクコクと頷いた。
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