嘘つき
関係のハジマリ

side 莉杏

「でも先輩、僕からお願いしといてアレですけど本当にいいんですか?」

『いいよ』

「あの、ご家族とか」

『一人暮らしだから問題ないよ』

「えっ....先輩一人暮らしなんですか!」 

『そう、叔母さんが海外に転勤になったからね』

「叔母さん?.......ご両親じゃなくて?」

「両親は、私が8歳の時に事故で亡くなったからそこから叔母さんが私の保護者なの』

「無神経なこと聞いてすみません」

『いいよ』 ボソッ(もう吹っ切れてるから)

「え?」

『うんうん何でもないよニコッ それよりもうすぐ着くよ』

「マンションに住んでるんですね」

『まぁ 女子高生が一人暮らしをする上で一番大事なのは警備だからね』

『警備がしっかりしてる上で、尚且つ学校と駅、スーパーが近い所を探したらここが一番いい条件のところだったの』

いつもこの時間にいる警備員さんに挨拶をしてからマンションに入る
『こんばんは.....いつもお疲れ様です』

「こんばんは」

「こんばんは...ありがとうございます」

ウィーン

ピッ

エレベーターの7階のボタンを押して自分の部屋へ向かう

「先輩結構高い所に住んでるんですね」

『そうかな?』

「このマンション10階建てですよね」

確かに10階建てのマンションなら、7階は高いか

『考えたこと無かったかも とりあえず着いたよ』
と言いながら部屋のドアを開ける

『どうぞ』

「お邪魔しまーす」

『靴はそこに揃えて脱いでね コートとブレザーはそこのハンガーにかけて』

「分かりました」
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