一直線の片思い
4.お互いのこと 海也Side
塾の授業が始まっても、あの子が気になってしまう。
この塾の中3生は僕の学校の人たちしかいないから、あの子も不安だろうな。
なんで、そんなこと考えてるんだよ。女子が苦手なのに――。
でも、つい横目で見てしまう。
こんなモデル体型で美人な子が隣に座ってると、そりゃ気になるじゃないか。字もきれいだし。
授業が終わると、あの子はまだ一生懸命テキストに向かっていた。
仲が良い祐樹と帰ろうと塾を出ると――
「なあ、今日、初めて来た子、めっちゃ美人だったな」
「まあ」
「安心しろ。俺は今、恋とかどうでもいいから」
「別にそういうわけじゃねーし」
「ふーん、名前すら知らないのに」
「そりゃ、どうやって知るか今、考えてるんだよ」
「まあ、頑張れ」
「おう」
次の日の塾にもあの子はいた。
話しかけられなくて辛かったけど、なんとか話せたらな……。
土曜日、女子が苦手な僕のインスタに一通のDMが入った。
誰かと思えば、楓華さんだった。
正直、この人は何考えてるかわからなくて、ちょっと怖い印象しかない。女子が苦手な僕からすれば最悪だ。
『千春ちゃんのこと知ってる?』
『誰?』
『同じ塾だよ』
『ああ』『最近入った美人な子か』
『そういう印象なんだ……美人ね〜』
『絶対言うな』
『言わないよ〜』
『てか、なんで聞こうと思ったの?』
『昨日、千春ちゃんと習い事で会って、その時に塾に通い始めたこと知って、海也が通ってる塾ってことを知ったの。それで男子2人と話したって聞いたら、話してないって言われて、どんな感じか気になっちゃって』
『あーそう』
『インスタ、交換しなくていいの?』
『したいけど、聞けないよ』
『まあ、私も交換してないから』
『交換したら、アカウント教えて』
『考えとく』
『お願い』
『りょ』
まさか、名前がわかるなんて思ってもいなかった。
千春か……。可愛らしいけど、どこか上品な印象もあるな。
しかも、今日塾があるから、話してみたいな……。
この塾の中3生は僕の学校の人たちしかいないから、あの子も不安だろうな。
なんで、そんなこと考えてるんだよ。女子が苦手なのに――。
でも、つい横目で見てしまう。
こんなモデル体型で美人な子が隣に座ってると、そりゃ気になるじゃないか。字もきれいだし。
授業が終わると、あの子はまだ一生懸命テキストに向かっていた。
仲が良い祐樹と帰ろうと塾を出ると――
「なあ、今日、初めて来た子、めっちゃ美人だったな」
「まあ」
「安心しろ。俺は今、恋とかどうでもいいから」
「別にそういうわけじゃねーし」
「ふーん、名前すら知らないのに」
「そりゃ、どうやって知るか今、考えてるんだよ」
「まあ、頑張れ」
「おう」
次の日の塾にもあの子はいた。
話しかけられなくて辛かったけど、なんとか話せたらな……。
土曜日、女子が苦手な僕のインスタに一通のDMが入った。
誰かと思えば、楓華さんだった。
正直、この人は何考えてるかわからなくて、ちょっと怖い印象しかない。女子が苦手な僕からすれば最悪だ。
『千春ちゃんのこと知ってる?』
『誰?』
『同じ塾だよ』
『ああ』『最近入った美人な子か』
『そういう印象なんだ……美人ね〜』
『絶対言うな』
『言わないよ〜』
『てか、なんで聞こうと思ったの?』
『昨日、千春ちゃんと習い事で会って、その時に塾に通い始めたこと知って、海也が通ってる塾ってことを知ったの。それで男子2人と話したって聞いたら、話してないって言われて、どんな感じか気になっちゃって』
『あーそう』
『インスタ、交換しなくていいの?』
『したいけど、聞けないよ』
『まあ、私も交換してないから』
『交換したら、アカウント教えて』
『考えとく』
『お願い』
『りょ』
まさか、名前がわかるなんて思ってもいなかった。
千春か……。可愛らしいけど、どこか上品な印象もあるな。
しかも、今日塾があるから、話してみたいな……。