指先から溢れる、隠れた本能。
私はまだ、自分の『sub』の性質を完全に理解していなかった。でも、蒼空さんのそばにいると、理性では抗えない衝動と、安心感が同時に押し寄せる。まるで、彼の存在が私の心の奥底にある何かを解き放っているかのようだ。
蒼空さんも目を覚まし、私を見つめていた。朝日に透ける彼の瞳には、柔らかさと熱が混じり合っている。私の寝顔を見つめるその視線に、胸の奥がさらに熱くなる。
彼は抑制剤で理性を保とうとしているはずなのに、私の存在が彼を揺さぶっているのがわかる。私の頬の赤み、微かに揺れる髪、かすかに震える吐息──それらが、彼の心を刺激しているようだった。
「……俺、本当に……お前のこと、欲しがってしまう」
蒼空さんが低く呟き、そっと私の腰に手を伸ばした。その温もりが、柔らかく、でも確かな力強さで私の体に伝わる。
私は微かに息を漏らし、彼の瞳を見つめた。頬がさらに赤く染まり、体の奥が熱くなる。自然と彼の手に沿うように体が動き、心臓が跳ねるように鳴る。
「六花の温もりを、味わった今……後戻りはできないと思う」
「蒼空さん……私も……」
言葉は途切れがちだったけど、瞳に宿る熱が、昨夜の続きを求める気持ちを伝えている気がした。私たちの体は自然に密着し、触れ合うたびに胸の奥が熱く疼く。私の小さな喘ぎ声が再び資料室に響く。もう朝で、会社なのに。
蒼空さんの理性をさらに押し流しているのがわかる。彼の声や視線が、まるで私の『sub』の本能を直接揺さぶるように、甘く、切なく響いた。
「んっ……あっ、あぁっ……蒼空さん……」
蒼空さんが私の唇にそっと自分の唇を重ね、指先で背中や腰を撫でてくる。
その感触に、体が震え、理性では抗えない快感が体の奥から湧き上がる。私はまだ、自分の『sub』の性質を完全に受け入れられていない。
でも、蒼空さんのそばにいると、「この人に全てを預けたい」という思いが抑えきれずに溢れてくる。体の奥が熱く疼き、甘い吐息が漏れる。