指先から溢れる、隠れた本能。



 「……蒼空さん、これからも、ずっと一緒に……」


 私は小さく呟き、恥ずかしさで頬が熱くなるのを感じた。蒼空さんは柔らかく頷き、私の目を見つめて微笑んだ。その視線に、信頼と愛情が込められている気がした。私たちは互いの存在を確かめるように視線を交わし、日常の中で少しずつ、でも確実に心を結びつけていく。

 オフィスの窓から差し込む午後の光が、廊下の床に柔らかな影を落としていた。私と蒼空の足音が、静かに響き合う。甘く、静かな日常の中で、私たちの関係はより深く、確かなものになっていった。心の奥で、蒼空さんとの未来を思い描きながら、私は小さく微笑んだ。
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