告白する勇気がないので、ヴァンパイアと契約してしまいました。
気がつくと、外は暗くなっていた。

え、嘘!?私こんなに寝ちゃったの!?

午後の授業も出てないし...部活も終わっちゃったかな?

仮病で、休んでしまったと思うと、ちょっぴり罪悪感が襲ってくる。

とりあえず、部活はまだやっているかも、と思い、グラウンドに向かった。

グラウンドでは部員が後片付けをしているところだった。

部員の一人が話しかけてくる。

「あれ?マネージャーじゃん。具合もういいの?」

「うん、大丈夫。それより、悠真先輩知らない?」

「先帰ったよ。早く帰るなんて珍しいよな。」


帰っちゃったんだ...お礼言いたかったのに。

それにしても先輩、ちょっと怒ってたような...
気にしすぎかな。

部員にありがとうと言ってその場を後にした。

仕方なく一人で帰っていると、
細い路地裏で、二人組の不良に話しかけられた。

「カーノジョ!あっれ〜一人?」

「可愛いのにかわいそー。俺たちが遊んであげよっか?」

「ひ..大丈夫です。」

必死に声を振り絞るが、怖くて声がうまく出せない。

「遠慮しなくていいから♪遊ぼうぜ」

無理やり腕を掴まれた。もうやだ...助けて。

その時、すごい勢いで、腕を掴んだ不良が飛んで行った。

「テメェ..!何しやがる。お前こいつの男か?ああん?」

残りの二人が、突然現れたその人に襲いかかる。

冷酷な赤い瞳で、その拳を片手で受け止め、もう一つの手で不良の首をつかみ、

「僕、お前が息吸えなくなるようにできるよ。」

静かに、不気味な笑みを浮かべながらそう言い放った。

「す、すみませんでした...!!」
と不良は、倒れているもう一人を引きずりながら、逃げていった。

「シオン...!どうしてここに...」

手をパッパッと払うと、シオンはこちらに向き直り、抱きしめてきた。

「アカリちゃん...無事で、よかった。」

じわりと涙が出てくる。
怖かったことと、シオンが来たことへの安心感からだろうか。

「ありがとう...来てくれてありがとう...」

「アカリちゃんの居場所はどこにいてもわかるよ。一度血を吸うと、その人の匂いを覚えるんだ。」

「そう..なんだ。それなら、どうして今まで現れなかったの?会いたかったよ。私は」

真剣に伝える。

「...だって」

シオンはちょっとだけ苦しそうな顔で口を開く。
その瞬間、ガッと首筋を噛まれる。

「あ...!」

思わず声が漏れる。

「アカリちゃんの血吸いたくて、我慢できなくなるから...」

いつも通り、血を吸っているかと思うと、首筋を舐められた。

「や..ん...!シオ..ン」

「アカリちゃん..美味しい...可愛い。」

チラリとこちらを見てシオンは言った。
私の余裕のない顔を見て、ちょっとだけ意地悪そうな顔で...

「アカリちゃんさ、前と違って、なんだか嬉しそうだね..?嬉しいの?」

ちょっとだけギクリとした。前みたいに抵抗しようとしなかった。そういえば契約は切れてるんだっけ...。

嫌ならはなせばよかった...。それなのに...

もっと..吸って欲しい。

そう言おうと口を開いたところで、

「ごめんね。ちょっとだけいじめたくなっちゃった。なんでかは分からないけど。」

「ねえ..シオン。どうして助けてくれたの?血のため?」

シオンはきょとんとする。

「血?違うよ。だって助けなくてもアカリちゃん殺されるわけじゃないでしょ?...正直分からないんだ。なんでアカリちゃんにこんなに執着するのか。でも、悲しそうだったから。アカリちゃんが悲しそうだったから、気がついたら、来てた。」

シオンは淡々と述べる。ちょっと悲しそうで、ちょっと嬉しそうな顔で。



ああ、そっか。私、この人のこと好きになっちゃったんだ。
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