告白する勇気がないので、ヴァンパイアと契約してしまいました。
「アカリ、どうかしたのか?」

悠真先輩が顔を覗かせる。

「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事してて。」

「さっきから弁当進んでないじゃん。上の空だし。なんかあった?」

あったといえばあった...でもいえない。

「ううん!なんでもない!ちょっと朝からお腹の調子悪くて。」

突然悠真先輩がひょいと私を抱き上げる。

え、これってお姫様抱っこ..?

「重いから!重いからはなしてください!」

かああと顔を赤らめながら必死で抵抗する。
「暴れるなよ。具合悪いならさっさと言え。保健室連れてく。」

悠真先輩はまるで本物の王子様のようだった。だけど、その優しさに少しだけ心がズキンと痛む。

「ありがとうございます..」

ごめんなさい...
心ではそう呟きながら口ではありがとうと言った。

保健室に入ると、先生はいなかった。

「なんだ。先生もお昼か?」

そう言いながらベットにおろしてくれる。

「アカリゆっくり休んで。」

「ありがとうございます。何から何まで。」

そう言いながら無理やり微笑むと、

悠真先輩は何やら少し黙った。

「先輩...?」

その時ぐっと顔が近づいたかと思うと

「んっ..!」

少しだけ強引に唇が重なった。
唇が離れると、

「少しは俺を頼れ。ちょっと、心配になる...」

それだけ言い残して、先輩は保健室を後にした。

苦しかった。先輩が出て行った後泣いてしまった。

感情はぐちゃぐちゃだった。
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