告白する勇気がないので、ヴァンパイアと契約してしまいました。
それから毎日のように、サッカー部に通った。

悠真先輩とも仲良くなって、ついには

「マネージャーやってくんね」

と勧誘された。

帰宅部だったし、バイトもしていなかったから、すぐに承諾した。
周りからも、付き合ってると噂されるようにもなった。

正直嬉しかった。

マネージャーになってからの日々は、大変だったけれど、一番近くで悠真先輩を応援できている気がして嬉しかった。
練習後、

「お疲れ」

悠真先輩に話しかけられた。

「あ、お疲れ様です!」

「あのさ..今日帰り、校門のとこで待ってて。話あるから。」

「あ、はい。わかりました。」

いつもよりも気恥ずかしそうな悠真先輩だったな。
なんの話だろう、ちょっとだけワクワクしながら校門へ向かう。

すでに悠真先輩は待っていた。

「あ、すみません!お待たせしました。片付けが長引いて..」

「おー、お疲れ。」

「あの、話って何ですか。」

私がそう尋ねると、

「あー、うん。ちょっと帰りながら話そ。」

そう言って悠真先輩は先に歩き出した。

河川敷に差し掛かったところで、悠真先輩が立ち止まる。

「わあ、夕焼け綺麗ですね!川もキラキラ輝いて..」

ここで、シオンとあったんだっけ...懐かしみながら、川を見つめた。

「アカリ」

「はい?」

「好きだ。俺と、その...付き合って」

嬉しかった。契約のときの告白とは比べ物にならないほど、嬉しかった。

「はい。私もです。」

悠真先輩は「本当か?よっしゃ..」と嬉しそうに笑う。
契約した時の積極的な感じとは全然違う。

でも、こっちの方がいいなと思った。

喜びながらも

シオン...叶ったよ。

心の中ではシオンに報告した。

シオン、会いたい...

思わずハッとした。私、悠真先輩といるのにシオンのことばっかり...

「アカリ?どうかした?」

「あ、いえ、何でもないです!!ちょっとぼーっとしちゃって」

必死でそう答えた。

いくらヴァンパイアでも男は男。彼氏といる時に他の人のこと考えてちゃダメだよね。

もう会わないんだし。気持ちを無理やり切り替えて帰った。

その夜。

「アカリー。お醤油切れちゃったの。買ってきてくれない?ママ今手離せなくて。」


「いーよー」

ママから買い物を頼まれて、夜道を歩く。

「わあ、月が綺麗...」

満月だった。

シオンと出会った日も満月だったな。契約した夜のことを思い出しながら、しみじみする。

ーーその時。

満月を落下物が横切った。

「え、何!?」

それは目の前の川に落ちたみたいだった。

必死で川の方へ向かう。

何かが川の近くで倒れてる...

月明かりに照らされて、赤い宝石がゆらめいている。

間違いない、シオンだ。
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