告白する勇気がないので、ヴァンパイアと契約してしまいました。
「シオン...?シオン...!!!」

すぐに駆け寄って、ゆさゆさと体をゆする。

「う..」

シオンは小さく声を出した。

よかった。まだ意識はあるみたい。でも元気はないみたい。

まさか..また血が飲めてない..?

考えている暇もなく、シオンの口を自分の首に押し付けた。

「...飲んで!!お願い!」

少しずつ、シオンの口が動き出したのを感じた。

「...あ」

思わずそう声が漏れてしまう。
あの時と同じ、不思議な感覚。
ちくりとしたかと思うと、それはすぐに快感に変わる。

何だか、ずっと求めていたかのようなそんな感覚に襲われる。

「...この味..」

血を飲んで元気がでたのか、シオンが口を開き出す。

「...アカリ?」

シオンが私の頬に手を添えた。

「やっぱり、アカリだ。」

初めて会った日。月明かりに照らされて怪しく見えたその瞳は、優しげでルビーのように美しく輝いていた。

口が急にしょっぱくなった。

あれ...私泣いてる...?

「シオン..よかった。本当に、死ななくてよかった..」

「アカリ泣いてるの?」

元気になったシオンがきょとんとした顔で尋ねてくる。

「そりゃあ泣くよ..」

「なんで泣いてるの?痛かった?」

シオンは焦った顔で尋ねる。

「違うの。シオンが生きてて嬉しいの。会えて嬉しいの。」

シオンが目を見開いて笑った。

「そっか。やっぱりアカリみたいな人って初めて会った。変なの...」

「それより、シオンどうしてたの?やっぱり、血すえてなかった?」

「うん..まあ動物の血だけ吸ってたかな。」

「そうなんだ...やっぱり契約者を探すのは難しいの?」

「いや、いたよ。いたんだけど...吸えなかった。何でかわかんないけどアカリ以外の人の血吸えなくなった。」

トクン、と心臓が跳ねた。

「え、それって..」

「うん。何故か父親と同じことになってる。でもさ、なんでか分からない。なんでそうなるのか...アカリの血が美味しすぎたのかな?んーでもそれだと、動物の血なんて飲めたもんじゃないよ。」

うーむとシオンは真剣に悩んでる。
本当にその原因が分からなそうだった。

シオンてもしかして、私のこと..

いや、それはおこがましいか。現に恋してるって感じじゃないしな。

それに...さっきは死にそうだったから、血吸わせちゃったけど、今度こそ悠真くんに見られたら終わりだ...こんな関係は続けちゃダメだ。

でも...

「あ、ごめん。アカリ。多分僕今、アカリのこと困らせてる。血美味しかった。ありがとう。契約してないのにごめんね。じゃあ、バイバイ」

そう言って、満月の方へ飛んでいく。

「..シオン」

これでよかったんだ。
シオンは、人間の血は吸えなくなったって言ってたけど、動物の血なら吸えるって言ってた。別にそんな簡単に死ぬわけではないよね...

それより、いくら緊急事態とはいえ、シオンに血を吸わせてしまった。
ヴァンパイアにとっては、食事だけど、人間がみたらどう見ても...。

悠真先輩への罪悪感で胸がいっぱいになった

ごめんなさい...そう心の中で呟いた。


シオンに噛まれたところはまだ少しだけ熱かった。
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