マリオネット
 抱きついてくる凪に
「これでいつでも連絡取れるようになったから。この前のように心配かけないで」
 凪が出て行ってしまったと思った私は、人生のどん底に陥ってしまった気分になった。

「うん。ごめんね」
 凪はシュンとしている。

「でも、ロールケーキは美味しかったよ。ありがとう。今度は二人で買いに行こうね」

 私が声をかけると
「うん!」
 凪は返事をしてくれた。

「凪!私、見たいテレビあるから、先にお風呂入って」

「わかった」

 しばらくテレビを見ていると、凪がお風呂から出てきたようだった。
「おかえり」
 そう言って彼を見ると、上半身裸に頭をタオルで拭いている状態だった。

「ちょっと凪!?」
 見たことがないわけではないが、いつもと違う雰囲気の彼にドキドキしてしまう。

「ごめん。服を持って行くの忘れちゃって」
 
 私は、クッションで半分顔を隠しながらも彼の身体を見てしまった。
 前はあんなに細かったのに。
 しっかりとした身体つきになっている。

 んっ?
 なんか、腹筋も割れている気がするけど。
 凪が筋トレとかしているところ、見たことないけどな。

 視線を感じたのか
「どうしたの?」
 彼は不思議そうに聞いてきた。

「えっ……と。あの、前はあんなに細かったのに、なんかがっちりとした身体つきになっているなって思って。あっ。太ったってわけじゃないよ。なんか筋肉があると言うか……」
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