マリオネット
「陽菜乃さんと一緒に暮らすようになって、ちゃんとご飯食べれるようになって。ただ、家事はちゃんとしているつもりだけど、家に居てばかりじゃ太っちゃうと思って。陽菜乃さんが会社に行っている時に走ったり、公園で筋トレしたり、家の中でも腕立てとかやってる。前みたいに、弱い俺ってなんか嫌なんだもん」

 弱い俺って、いつの時のことを言ってるんだろう。

「弱い俺って?」

「陽菜乃さんと初めて会った時、陽菜乃さん助けるために公園であんな奴等に殴られて、ちょっとケガしたでしょ?いくらご飯食べてなくて、力が出なかったからって悔しくてさ」

 昔の凪ってどのくらいケンカしてたんだろう。こんなふんわりとした雰囲気なのに。

 力の使い方が上手だから、私のこともあんな軽々と持ち上げることが出来るんだ。
 この間の飲み会の時も、坂本さんは背負われてたけど、凪は私のことお姫様だっこしてくれたもんね。

「そっか。痩せすぎてて心配したけど、その身体見たら安心した」

 うーん。
 腹筋割れてる人ってこんなにカッコ良いんだ。
 んっ?
 もともと凪がカッコ良いし、好きだからそんなこと感じるのかな。

「陽菜乃さんのおかげだよ。ありがとう」

「いや、凪の努力だよ。私何もしてない。早く髪の毛乾かしてきて」
 話をはぐらかすように目を逸らした。

「うん」

 どうしよう。
 凪の身体を見て、一瞬抱かれたいと思っちゃった。他の人にはそんな感情抱いたことなかったのに。
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