マリオネット
「別れる時、私のことを抱けないって言ったのは誰?」
 今更どんなつもりなんだろう。

「あぁ。あの時はね。久し振りにこの間ゲーセンで会って、綺麗になったって思ったのは確かだよ。それに、陽菜のスタイルは俺好みなんだ。あと俺に尽くしてくれようとするだろ?口とか使ってさ」

 あぁ、もう止めて。そんな昔の話、聞きたくない。

「もうやめて。そんな話。あなたとそういう関係になんてならないから。これ以上余計な話をしたくないから言うけど、私の家に盗聴器を仕掛けたのはあなたでしょ?」

 少し間を置き
「へー。そんなことがあったのか。大変だな」
 
 翔太郎の顔を見て、確信する。
 絶対、この人だ。なんのために?

「ふざけないで。絶対あなたでしょ」

「証拠はあるの?」
 証拠と言われてしまえば、何も言えなくなってしまう。

「陽菜もあんなヒモ男となんか付き合ってないで、ちゃんとした男見つけろよ。結婚、遅くなるぞ」

 彼の一言に我慢できないほどの怒りが込み上げた。
 そしてよくあるドラマのワンシーンのように、テーブルにある水を翔太郎の頭にかけてしまった。

「おまっ!何してんだよ!?」

 周りのお客さんも私たちを見ている。

「私の大切な人をバカにするのもいい加減にして!もう二度と会わない。クズはあんただから」
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