マリオネット
「ごめん。凪も面接で疲れているのに」

「全然疲れてないよ。話をして、説明を受けてきただけだし。シフトはできるだけ俺の希望している時間に入れそうだから良かった。陽菜乃さんが帰って来た時には、家に居るから大丈夫だよ」

「うん」

 こんな我儘な私の傍にいてくれるのに、嫌な顔一つしない。
 本当はもっとしたいこととかあるんじゃないのかな。
 翔太郎と会ったことで、自分でも精神が不安定なことがわかった。

 凪の淹れてくれたお茶を一口飲む。

「陽菜乃さんは、どんな話をしたの?」
 ドクンと自分の中の鼓動が聞こえた。

 別に悪いことをしたわけではない。
 彼が翔太郎から何を言われたか聞いたら、嫌な気持ちになってしまう。それだけが嫌だった。

「大丈夫だよ。俺は陽菜乃さんの味方だから」
 その一言でなぜか涙が溢れた。

「えっ!えっ?どうしたの?」
 困惑している凪に私は抱きついた。

「翔太郎にセフレにならないかって言われた。もちろん断ったけど……」
 凪の身体がビクっと反応した。

「そんなこと言われたんだ」
 彼の声が低くなった。
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