マリオネット
「ごめん。陽菜乃さんが嫌な思いをしてるんだったら、本当に断ろうと思って。今の俺が居るのは、陽菜乃さんのおかげだから。だから、本当にごめん」
 真剣な表情で凪は頭を下げた。
 お風呂から上がってゆっくり話しても良いと思ったんだけど。

「違うの!嫉妬とかホントはしたくないのに。凪が他の人と仲良くなるのは嬉しいことだと思う半面、居なくならないか不安なの!大人の女じゃなくてごめん!嫉妬深くて、焼きもち妬きでごめん!とりあえず、お風呂入ってくるから出て行って?凪を怒ってるわけじゃないよ。自分に対して腹が立っているだけだから!」

「陽菜乃さん」
 凪は私を珍しく壁まで追い詰めた。

「凪……?ちょっと!んん……」
 そしてキスをされた。

「んん……」
 片手を抑えられ、もう一方の自分の手はバスタオルをなんとか掴んでいる状態だ。

 しばらく舌を絡めたキスをした後
「ごめん。風邪引いちゃうよね」
 言葉少なく彼は出て行った。

「どうしたのかな」
 強引なキス、思わず唇を触ってしまう。
 普段通りお風呂を済ませ、髪の毛を乾かし、リビングへ戻る。

 リビングを見ると凪がいなかった。
 あれ?もう寝室にいるのかな。

 そう思い、寝室に向かおうとした時――。

「わぁっ!」
 後ろから彼に抱きしめられた。
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