マリオネット
「こんな写真を見て、信じるなって言うのも難しい話だと思うけど。これ、俺だけど俺じゃないから。信じてほしい」

「どういうこと?」

「一緒に写っているのは、バイト先の先輩。でも、よく見て?距離感とか重なっている部分とかおかしいんだ」

 凪に言われて、写真を見つめる。
 確かに、なんか背景が微妙にズレているような気がする。

「一瞬、見ただけじゃわからないけど、よく見ると不自然なんだ。合成写真だよ」
「合成……。写真?」

 よくテレビとかで見るやつ?
 盗聴器といい、こんなことする人本当にいるんだ。

「俺のこと信じてほしい。俺は陽菜乃さんのことが好きだ。浮気なんて絶対にしない。この写真、専門業者のところへ持って行って見てもらってもいい。それで陽菜乃さんが信じてくれるなら」

 私は――。

「ごめん。凪。そんな合成写真とかわからなくて、勝手に勘違いして。私は凪を信じる。本当にごめん」

 彼の言葉を聞かずに、家から飛び出してしまった。混乱していたとはいえ、もっと冷静になれば良かった。

「いいんだ。こんな写真いきなり見ちゃったら誰だって勘違いするよ。俺のこと、信じてくれてありがとう」
 優しい顔。いつもの凪だ。

「でも……。誰がこんなことを?私は不特定多数の人間に嫌われている自信があるから、嫌がらせをされるのはわかるけど」

「陽菜乃さん、そんなこと言わないで」
 彼は苦笑しながらも
「そうだね。合成の方法も荒い。これは、俺たちの関係を知っている人。あとヒントは……。この消印だと思う」

 押されたのは、最近。
 場所は――?
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