マリオネット
「あっ、これ。翔太郎の住んでいるところだ!」
 
 この前会った時、水をかけてしまったし。
 相当頭にきているのかな?

「そうだね。こんなミスするなんて、頭の良い人だとは思えないけど」
 この郵便が出された地名、翔太郎の住んでいる地域に近い。

 盗聴器のこともあるし、あいつならやり兼ねない。

「私、あいつに嫌がらせを止めてほしいって言う!」
 次は何をされるかわからない。

「まだ確実にあの人って決まったわけじゃないから。今はほっとこう?陽菜乃さんが危ない目にまた遭っても嫌だし。俺が何とかするよ」

 凪が……?

「どうやって?」

「秘密!」
 彼はニコッと笑っている。

「肝心なところ、教えてくれないじゃん!私だって、凪に何かあったら嫌だからね!?」

「わかっているよ。無理はしないから」

 その日は、私の勘違いでとても凪に迷惑をかけたことを謝り続けた。
 もちろん、彼は笑って許してくれたけど……。





「陽菜乃さん、朝だよ!起きて?」
 彼にいつも通り起こされる。

「う……ん。もうちょっと……」
 駄々をこねる私に、彼は優しく触れた。

「おはよう」
 目を擦りながら、彼の顔を見る。
「おはよう。ご飯出来ているよ。今、お茶淹れてくるね」
 キッチンへ向かう彼に後ろから抱きついた。
< 171 / 186 >

この作品をシェア

pagetop