マリオネット
「あっ、薬飲んでもらわなきゃ」

 寝室のドアを開けると、彼は寝ていた。
 苦しそう。水分摂ってもらわなきゃ。
 あと、着替えさせないと。
 汗をかいてる。

「凪、ごめん。ちょっとだけ起きて」
 声をかける。

「う……ん。陽菜乃さん!?なんで?」
 慌てて起きようとする彼を制止する。

「今日は会社休んだの。だから、ずっと一緒に居るからね。とりあえず、着替えよう?汗かいてる」

「そんなっ、俺のせいでごめん」
 俯く彼に
「元は私だから。はいっ、バンザイして。洋服脱ぐよ」
 私の指示通りに両腕を彼はあげてくれた。

「なんか恥ずかしいね」
 少し笑ってくれて安心した。

 着替えた後は、水分を摂ってもらい薬を飲んでもらった。
「私、今日、家にずっと居るから。何かあったら呼んでね」
 熱冷ましのシートを額に貼る。
「はい」
 小さく返事をした彼は、子どものようだった。

「おやすみ。ゆっくり休んでね」
 寝室を出る。

 さぁ、次は何をやろうか。
 とりあえず、洗濯機でも回そうかな。
 自分にとってもなんだか新鮮だった。

 お昼は、卵粥を作った。
 お昼にもう一度凪の熱を測る。
 38度3度。今朝とあまり変わらない。

「凪。お昼ご飯作ったんだけど、ちょっとでも食べれそう?」

「うん。陽菜乃さんの作ってくれたご飯、嬉しい。キッチンまで歩けるよ」
 そう言って、彼はベッドから立ち上がった。
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