マリオネット
 気持ち悪いって思うけど。

「私は、もうこれ以上何も起こらなければいいと思っている。問い詰めるとかは、正直したくない。でも理由を知りたい。なんで会ったこともない私にそんなことをするのかって。私、全然翔太郎に未練も何もないのに」

 関わりたくない気持ちと理由を知りたいという気持ち、両方だった。

「わかった」
 凪の秘密も気になるけど――。
 いつかは教えてくれるって言ってくれたし、信じるしかないよね。



 次の日――。
「凪、誕生日おめでとう!」
 二人だけの初めての誕生日。

「ありがとう!ご馳走だ!本当に陽菜乃さんが作ってくれたの?」

「うん。一応、料理は全くできないわけではないし。ただサボっちゃうだけで。そりゃ毎日している人と比べると劣るけど……」

 凪が美味しいって言ってくれる顔が見たくて、頑張ったつもりだけど。どうだろう?

 二人で買ってきたスパークリングワインで乾杯をする。
「今日、陽菜乃さんと一緒に居ることができて幸せです」

 凪の一言を聞いて、一気に顔が紅潮する。
 改まって言われると、テレるな。

「私も嬉しいです。お誕生日おめでとう」

 料理を取り分けて、ひと口彼が食べる。
「美味しい!」
 良かったと胸を撫でおろす。

「ありがとう、陽菜乃さん」
 満面の笑みを浮かべる彼を、とても愛おしいと感じた。
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