マリオネット
「やっぱり今日魚だから、ご飯先の方がいいかも。匂いついちゃうし」
 ということで、先に夕ご飯をいただくことにした。

「焼き魚なんて久しぶり!グリルあっても、使わないもん」
 家で焼き立ての魚が食べれることに感動をしてしまう。
 それほど家事をしていなかった自分。
 翔太郎に結婚相手として選ばれなかったのも当然か。

「お味噌汁も自分で作ったの?」

「うん」

 お味噌汁もレトルトだったからな、最近。定食屋さんに行った時のお味噌汁が美味しく感じたもんな。

「凪、すごい!」

「パソコン使わせてもらえるから、ネットとかで料理の勉強もしようと思ってる。頑張るね」

 こんな平和で、しかも自分が大切にされていると思えるような会話ができて、幸せだと感じてしまった。

 夕食の片づけをしている時に、凪から
「陽菜乃さん。明日のお弁当、何が良い?」
 明日のお弁当……。うーん。
「オムライスが食べたい!」
 思わず本当に食べたかった「オムライス」そう答えてしまった。

「了解……。えーと。あ、ケチャップないから、買い物行って来てもいい?昼間気づけば良かった。ごめん」

 パーカーを羽織り、凪は出かける準備を始めた。

「いいよ、わざわざ行かなくても。大変でしょ?」

「ううん。まだ近くのスーパーやっている時間だし、すぐ行ってくる」

「えっ、いいよ」

 そう伝えたが、私の声が届かなかったのか彼は出かけてしまった。

 その五分くらい経った後、玄関のインターホンが鳴った。

 凪、早かったな。

 そう思い、相手を確認しないでドアを開けてしまった。
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